リスキリングが世界的に注目される中、日本は他国と比較して大きく遅れをとっている現状が浮き彫りになりました。
リクルートとIndeed Hiring Labの調査によると、日本は週に3時間以上リスキリングに取り組む割合が11カ国中最下位。また、キャリアを主体的に築く意識も他国より低いことが判明。
この記事では、日本が直面するリスキリングの課題と、その背後にある原因を探り、未来を切り開くための道筋を提案します。
こんにちは、Manaです!
今日はちょっと耳の痛いニュースをお伝えします。
リクルートとIndeed Hiring Labの最新調査によると、日本はリスキリングの実践時間が世界11カ国中で最下位という結果が出ました。
これ、結構ショックですよね。
しかも、キャリア自律、つまり自分のキャリアを自ら築くという意識も他国に比べてかなり低いというのが現状です。
この記事では、その背景にある要因や課題を分析し、今後日本がどのようにしてこの状況を改善していけるかを考えていきたいと思います。
Indeed Hiring Lab
求人情報検索エンジン「Indeed」が提供する、雇用に関する調査・分析を行う研究機関。雇用市場や働き方の変化に関するデータを収集・分析し、その結果を公開することで、企業や求職者に有益な情報を提供します。
キャリア自律(Career Autonomy)
企業や社会の動向に依存せず、自分自身でキャリアを管理・発展させていく意識と行動を示します。
まず、リスキリングの必要性を感じている人は日本でも約7割に達しています。
これは決して低い数字ではありません。しかし、実際にリスキリングに取り組む時間の割合を見ると、週に「3時間以上」リスキリングに費やしている人はわずか24.7%で、11カ国中で最低です。
中国やインドではこの数字が7割を超えています。この差は一体どこから来るのでしょうか?
一つの要因として考えられるのは、企業によるリスキリング機会の不足です。
日本では「機会はない」と答えた人が34.1%と、他国と比較してもかなり高い割合を占めています。多くの企業が、従業員のスキルアップを支援する体制を整えていないことが浮き彫りになっています。
また、プライベートでのリスキリングに関しても、日本は「オンライン講習」を利用する割合が他国より低く、代わりに「専門書の勉強」を選ぶ人が多いという結果が出ています。これは、従来の学び方に依存しがちな傾向があることを示しており、リスキリングにおいても新しい学習スタイルへの適応が遅れていると言えます。
さらに問題なのは、キャリア自律に対する意識の低さです。
「キャリア自律」を重要と考える人の割合は、インドが89.4%、中国が84.9%に対し、日本は48.5%と最下位。この数字は、キャリア形成に対する主体的な取り組みが他国に比べて非常に低いことを示しています。また、キャリアの展望を中長期的に考えている人も少なく、「考えたことはない」と答えた人が30.8%に上ります。
この背景には、日本特有の「終身雇用」や「年功序列」といった企業文化が影響していると考えられます。
これらの慣習が、従業員に対して長期的なキャリアビジョンを持たせるインセンティブを弱めているのです。結果として、転職時に役職や賃金が上がる率も他国に比べて低く、キャリア自律に対する意識の低下を招いています。
終身雇用(Lifetime Employment)
従業員が定年まで同じ会社で働き続けることを前提とした日本独自の雇用制度。
年功序列(Seniority System)
年齢や勤続年数に応じて昇進や賃金が上がる仕組み。
では、なぜリスキリングがこれほど重要視されているのでしょうか?
その背景には、急速に進化する技術と社会の変化があります。
特に人工知能(AI)の進化は、仕事の在り方を根本から変えつつあります。AIが代替できる業務が増える一方で、人間にしかできない創造的な思考や高度なスキルが求められるようになります。この流れに対応するためには、現在のスキルセットに留まらず、新しいスキルを習得することが不可欠です。
リスキリングを実践しないと、時代の変化に取り残されてしまう危険があります。技術革新が進む今、自分のキャリアを自ら切り開くためには、主体的に学び続ける姿勢が求められます。
AI(人工知能, Artificial Intelligence)
人間の知能を模倣し、学習や推論を行うコンピュータシステム。
では、日本がこの課題を克服するためにはどうすれば良いのでしょうか?
まず、企業と個人が共にリスキリングを支援する環境を整えることが重要です。
企業は従業員のスキルアップを積極的に支援し、研修やOJTを充実させるべきです。また、個人もオンライン講習など、柔軟な学びの機会を積極的に活用することが求められます。
また、キャリア自律に対する意識を高めるための教育や啓発活動も必要です。学校教育からキャリア形成の重要性を教え、社会人になってからも自分のキャリアを見つめ直す機会を提供することが、長期的な視野を持つキャリア設計に繋がります。
日本社会全体が、キャリア形成に対する考え方を変えていく必要があります。短期的な利益や安定性に捉われず、未来を見据えたスキルアップとキャリア形成を意識することが、これからの日本にとって重要な課題です。
日本のリスキリングが他国に比べて遅れている現状は、危機的な状況と言えるかもしれません。
しかし、これを逆に考えれば、まだまだ成長の余地があるということでもあります。企業と個人が一体となってリスキリングを推進し、キャリア自律を高めることができれば、日本の未来は明るいものになるでしょう。
リスキリングは、単に新しいスキルを習得するだけでなく、自分のキャリアを自ら切り開くための強力な手段です。これからの時代を生き抜くために、今こそリスキリングに取り組むべきです。自分の未来を切り開くための第一歩を、今踏み出しましょう。
読んでいただき、ありがとうございました!これからも、皆さんが成長し続けられるよう、役立つ情報をお届けしますので、どうぞお楽しみに!